お父さんのさんぽ

 

(メイプルネコのお父さん)

 メイプルネコのお父さんは道あんないの名人。
「春はじめに花がさくのはどこ?」
「おもしろい本は、どこにうっていますか?」
 なにをきいてもすぐに答えて、そこに行く道を教えてくれます。 
 そして、そんなとき、メイプルネコさんがきまってとり出すのは、小さなてちょうでした。
 そのてちょうを見ながら、
「広場の花のつぼみがふくらみはじめているよ。」
などと教えてくれるのです。
 子どもたちが、
「そのてちょうはなあに?」
と、たずねても、メイプルネコさんは、
「ないしょだよ。」
と、わらって教えてくれません。

 ショコラウサギの男の子とくるみリスの男の子は、
「あのてちょうには、道あんないのひみつが書いてあるのかな。」
と、きょうみしんしん。
 あるとき、さんぽに出かけるメイプルネコさんの後をそっとついて行ってみました。
 メイプルネコさんはふたりに気づかず、どんどん歩いていきます。

 そして、ふと石だたみを見ると、
「ほう、星の形の石があるぞ。今まで気がつかなかったな。こんどみんなに教えてあげよう。」
と、てちょうに書きこみました。
 またしばらく歩くと、道のはしの木を見上げて、
「この木かげは一休みするのにちょうどいいな。」
と、てちょうに書きこみました。

 公園では、
「おや、めずらしい花がさきはじめたな。」
と、ここでもメモ。
 パン屋さんで新しいパンを見つけると、ちょっと立ちよって味見。
「ああ、おいしい。これはみんなに教えないと。」
 いろいろなところをさんぽして、とっても楽しそうです。

「メイプルネコさんは、さんぽをしながら、いいところをてちょうに書いていたんだね。」
と、その様子を見てなっとくしたショコラウサギくんたち。
「ぼくたちもつれて行って。」
とたのむと、メイプルネコさんは、ちょっとびっくりしたあと、うれしそうにうなずきました。
「じゃ、いっしょに行こう。」

 いろいろな道を歩いてはすてきなところを見つけて、みんなに教えてくれるメイプルネコさん。
「今日はどこに行くの?」
と、子どもたちもメイプルネコさんとさんぽをすることが大すきになりました。
 メイプルネコさんといっしょに道を歩けば、きっとすてきなことに出会えるのです。