キラキラをおみやげに

(シルクネコ赤ちゃん)

 シルクネコの赤ちゃんは、きれいなものが大すきです。
 そのうえ、きれいなものを見つけるのも、とってもじょうず。
 シルバニア村にひっこしてきてすぐ、赤ちゃんはまんかいのお花ばたけをみつけてきて、家ぞくのみんなに教えてくれました。
 そして、森や山にあそびに行けばかならず、きれいな石や木のみで、ポケットをいっぱいにして帰ってきます。
 雨上がりににじがかかると、一番さいしょに気がついて、
「みて!みて!きれい!」
と、空をゆびさすのも、いつもシルクネコの赤ちゃんでした。
 きれいなお花や小石をさがしてきて、
「まあ、赤ちゃん、こんなにきれいなお花、いったいどこにさいていたの?」
などと、みんなによろこんでもらうことが、赤ちゃんはうれしくてたまらないのです。

 そんなある日、赤ちゃんはようちえんのお友だちと、キラキラこへ遠足に行きました。
 はじめて見たキラキラこは、まるでほう石ばこみたいで、
「わあ!きれーい!きれーい!」
と、赤ちゃんは大かんげき。
 どうしてもキラキラの光をお母さんにみせてあげたくなりました。
それで、
(おかあさんに、もっていこうっと。)
と、ハンカチをとりだすと、水めんに広げて、そっとキラキラの光をつつんだのです。
「なにしてるの?シルクネコちゃん。」
 ほかの赤ちゃんたちにきかれて、
「あのね、おかあさんに、おみやげ。」
と、シルクネコの赤ちゃんはにっこりわらってこたえました。
 そして、大切にハンカチをもち帰ったのですが、家でひろげてみると、そこにキラキラはなくて、ただ、ハンカチがぬれているだけ。
(あれれ?キラキラ、おっこっちゃった。)
 ずっとお母さんがよろこぶ顔を思いうかべて、楽しみにしていたのに、赤ちゃんはがっかりしてしまいました。

(やっぱり、おかあさんに、キラキラ、みせてあげたいなあ。)
 赤ちゃんはあきらめられません。
 そこで、またようちえんのみんなとキラキラこに行ったとき。
 赤ちゃんは、キラキラの光をもって帰る方ほうをいっしょうけんめい考えて、こんどは、みずうみのお水といっしょに、すいとうに入れることにしたのです。
 そして、
(おかあさん、まあ、きれいねーっていうかな?おにいちゃんとおねえちゃん、びっくりしちゃうかな。)
と、ワクワクしながら、すいとうをしっかりかかえてお家に帰りました。

 ところが、お家ですいとうのふたをあけてみると、そこに入っていたのは、ただのお水。
 キラキラはありません。
 赤ちゃんはまたまたがっかりして、なみだがこぼれそうになってしまいました。
「どうしたの? 赤ちゃん。」
と、そこにきたのは、シルクネコの男の子と女の子。
「今日は、キラキラこに行ってきたんでしょう?楽しくなかったの?」
 心ぱいそうな二人にたずねられて、赤ちゃんは、ポロポロなきながら、ハンカチやすいとうをつかってみずうみのキラキラをもって帰ろうとしたこと、でも、お家についたらなくなっていたことを、話したのです。
 赤ちゃんの話をきいたシルクネコちゃんたちは、思わず顔を見合わせてしまいました。
「赤ちゃんのねがいをかなえてあげたいけど、どうしたらいいかな?」
 頭をよせあうようにしてしばらく考えて、やがて、二人が思いついたアイデアは……。

 まずさいしょに、
「赤ちゃん、お母さんといっしょにおにわにきて。」
と、二人は赤ちゃんをにわにつれ出しました。
「なあに?」
と、赤ちゃんはふしぎそう。
 つぎに、シルクネコちゃんがもってきたのは、お花に水をあげるジョウロです。
 そして、そこにすいとうの水を入れると、赤ちゃんにこうせつ明しました。
「みずうみのキラキラは、なくなったんじゃなくて、お水の中にとけているのよ。ほら、このお水を、大きくふりながらまいてみて。」
 シルクネコくんに台の上にのせてもらって、そこから赤ちゃんがジョウロの水をまくと……。
「わあ、キラキラ!」
 水しぶきが太ようの光にかがやいて、小さなにじができています。
「きれーい!」
と、赤ちゃんはジョウロの水をまきながら、大よろこび。
 お母さんにも、
「赤ちゃん、きれいなものをもってきてくれて、ありがとう。赤ちゃんは、きれいなものをさがすのがほんとうに上手ね。」
と、よろこんもらえて、大まんぞくです。

「こんど、家ぞくみんなで、キラキラこにピクニックに行こうね。」
「うん!」
 そんな楽しいやくそくもして、キラキラこは赤ちゃんの大すきな場しょになりました。

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