海のお花ばたけ

(ショコラウサギのおじいさん・おばあさん)

 ショコラウサギさんの一家がシーサイド村にあそびにきました。
 海の近くのすてきなお家には、ショコラウサギのおじいさんとおばあさんがすんでいます。
「おじいさんやおばあさんと、いろいろなところに行きたいな。」
と、ショコラウサギの女の子は大はしゃぎ
 おじいさんはクルーズボートの船長さんで、おばあさんのしゅみはシュノーケリングできれいな魚を見ることです。
 ふたりはシーサイド村のきれいなばしょをたくさん知っていて、
「とっておきのばしょを見せてあげるからね。」
と、ショコラウサギちゃんと手紙でやくそくしていたのです。

「シーサイド村めぐりに行ってきまーす。」
と、朝早くお家を出て、さいしょにおじいさんたちがショコラウサギちゃんをつれて行ってくれたのは、とう台です。
「夜はとう台のあかりをたよりに、船をそうじゅうするんだよ。」  
と、おじいさんがとう台の中をあんないしてくれました。

 そして、お日さまのふりそそぐひまわりばたけやくだものばたけをまわったあと、おじいさんが、
「お花ばたけを見に行こう。」
と、ショコラウサギちゃんをつれて行ったのは、さんばしでした。
 さんばしからボートにのると、
「お花ばたけを見るのに、海?」
と、くびをかしげたショコラウサギちゃん。

 でも、海にでてしばらくしたとき、おじいさんが、
「ほら見てごらん。」
と、ゆびさした海がんをみると、そこにはきれいなお花ばたけがあったのです。
「このばしょは、海からお花ばたけが一番きれいに見えるところで、ショコラウサギちゃんのお母さんも小さいときから大すきだったの。
だから、いつかショコラウサギちゃんにも見せてたくて、ずっとわたしたちがお花をたいせつにそだててきたのよ。」

 おばあさんのことばにショコラウサギちゃんは大かんげき。
 そして、海から見たお花ばたけの絵をかいて、シルバニア村に帰る朝、おばあさんたちにプレゼントしたのです。

「すてきなばしょを見せてくれて、ありがとう!またくるね。」
「楽しみにしているわね。」
 ショコラウサギちゃんたちが帰ったあと、かべにかざったお花ばたけの絵を見ながら、
「また、いろいろなばしょにつれていってあげよう。」
と、おじいさんとおばあさんは楽しそうに話すのでした。

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